2023.08.28   ブログ  
はじめてのBCP体制構築

近年、地震や頻繁に発生する台風の影響で、多くの企業が自然災害のリスクを深く痛感しています。このような背景から、多くの企業は自然災害を他社の問題だけでなく、自社の深刻な課題として認識するようになりました。事業継続計画(BCP)の導入は、これらの危機に効果的に対応する手段として注目されています。本記事では、BCP体制構築の基本を分かりやすく解説いたします。

■BCPとは何か
BCPは「Business Continuity Plan」の略称で、災害や事故、感染症などの予期せぬ危機が発生した際に、組織の重要な業務を継続させるための計画を指します。これにより、事業の中断を最小限に抑え、経済的な損失や顧客の信頼を失うリスクを軽減します。

■BCPを導入するメリット・デメリットについて
メリット:
 ・事業の中断リスクを最小限に抑える。
 ・顧客や取引先の信頼を維持・向上させる。
 ・危機的状況でも従業員や関連する人々の安全を確保する。

デメリット:
 ・初期投資が必要。
 ・定期的な見直しやトレーニングが求められ、継続的な労力がかかる。

■BCP導入に向けた準備
 ・企業の業務フロー(AS-IS)を明確にする。
 ・重要な業務とその担当者を特定する。
 ・リスク評価を行い、優先的に対応すべき点を特定する。

■BCP導入の手順
1. BCPチーム策定
 目的: BCPの策定・実施・見直しを進めるための専門チームを策定します。
 手順:
   経営層からのリーダーや関連する部門の担当者を選出。
   チームメンバーには、危機管理、業務知識、IT、人事などの専門家を含める。
   定期的なミーティングを設定し、進捗を確認。
2. 重要な業務とリソースの特定
 目的: 重要業務とそのリソースを明確にします。
 手順:
   業務のフローチャートを作成。
   各業務の重要度とその影響を評価。
   必要なリソース(人材、設備、システム等)のリストアップ。
3. リスクアセスメント(RA)とビジネスインパクト分析(BIA)
 目的: 企業が直面するリスクを評価し、ビジネスに及ぼす影響を分析します。
 手順:
   可能性のあるリスク(自然災害、感染症、サイバー攻撃など)を列挙。
   それぞれのリスクが業務に及ぼす影響度を評価。
   重要な業務が中断した場合の損失を検討。
4. 対策の策定と実行
 目的: 分析したリスクに対して、具体的な対策を策定し、それを実行します。
 手順:
   リスクごとに緊急時対応手段を策定。
   代替の業務フローやシステム、設備の確保方法を検討。
5. BCPの見直し・訓練
 目的: BCPを実際の状況で機能させるための訓練を行います。
 手順:
   定期的にBCPの訓練を実施。
   シミュレーションを通して、実際の緊急時の対応を確認。
   訓練の結果を元にBCPを見直し、改善する。

次回は、BCP導入の手順で、難しいプロセスの1つと言われるリスクアセスメントについて記載させて頂きます。

 


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