2024.06.11   ブログ  
モニタリング活動の重要性

リスクマネジメントにおいて、モニタリング活動は非常に重要です。適切なモニタリングができていれば、リスク対応策の効果を確認し、必要に応じて修正や追加の対応策を講じることができます。これにより、リスク低減効果のある対応策を模索できます。また、環境の変化による新たなリスクにも迅速に対応できるため、リスクの変化にも適切に対応できます。では、こういった適切なモニタリング活動とは、どのように行えばよいのでしょうか。

1.リスクの洗い出しと分析・評価(リスクアセスメント)
まず、企業の事業目標を阻害する要因となるリスクを洗い出し、分析・評価することが必要です。このプロセスでは、企業の各部門でリスクの影響度や発生頻度を評価し、リスクマップの作成したうえで、管理するリスクの優先順位を明確にします。

2.リスク対応策の検討
次に、リスクの対応策を検討します。具体的には以下の対応方針があります。
 - 受容
 リスク対応をせず、発生した場合はそのまま受け入れる。
 - 低減
 発生しうるリスクを最小限に抑える。
 - 移転
 リスクを第三者へ移転する。
 - 回避
 リスクの原因そのものを取り除く。
(今回は、特にリスクの低減について考えます)
リスクには複数の原因が絡み合っていることが多く、これらの原因を分析し、どの原因に対して低減策を講じるかを明確にし、対応策を検討します。

3.モニタリング活動
リスク対応策を立案した後は、その対応策を継続的にモニタリングすることが重要です。実施した対応策が期待通りの効果を発揮しているか、環境の変化によって新たなリスクが生じていないかなどを定期的にチェックします。そのために、モニタリング活動として、KGI(Key Goal Indicator)やKRI(Key Risk Indicator)の定期的な収集、インタビューやアンケートを通じた従業員の意識や意見の収集などを行い、リスクの低減状況を把握します。この活動を実施するためにも、対応策の検討時にリスクの原因を明確にし、何に対する対応策なのかを把握することが重要です。これにより、モニタリングがより効果的になります。

4.改善活動
モニタリングの結果を適切に報告し、フィードバックを受けることも重要です。モニタリングの結果をまとめ、リスク管理部門や主管部門などに報告します。報告を受けたリスク管理部門や主管部門からのフィードバックをもとに、モニタリング活動の改善点を特定します。その結果、有効に機能しなかったリスク対応策に対して、具体的な改善計画を策定し、実行していきます。さらに、実行の中で改善活動の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて追加の対応策を講じていきます。

まとめ
モニタリング活動はリスクマネジメントにおいて最も重要なプロセスと言えます。このプロセスを通じて、次のアクションのきっかけが生まれます。従業員全員がこれらの活動に積極的に関与することで、リスクの低減と企業の持続的な成長が期待できます。


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