2024.09.16   ブログ  
これもリスク?本当は仕事の中で実践しているリスクマネジメント

普段の仕事の中で、実は皆さんもリスクマネジメントを実践しています。 しかし、「リスクマネジメントは管理部門の一部の人だけが行うもの」というイメージを持つ人も多いようです。リスクはもっと身近なところに存在しており、全ての従業員が業務の一部としてリスク管理を行っております。今回は、私がコンサルティング業務の中で気づいた「これもリスクマネジメントなんだ」と感じた日常の例をいくつか紹介します。


1. 情報の取り扱い
日々、私たちは多くの情報を取り扱い、社内外の人々とメールやファイル共有、オンライン会議などで情報を交換しています。その中には、個人情報や機密情報が含まれることも少なくありません。例えば、外部の取引先に誤って機密情報をメール送信する。また、USBメモリに保存した重要なファイルを紛失した場合、情報漏えいのリスクが生じます。そのため、パスワード管理やファイルの取り扱い、メール誤送信など、全ての社員が業務の中で意識しているのではないでしょうか。

2. スケジュール管理
次に、スケジュール管理もリスクマネジメントと密接に関わっています。日常的に私たちは、締め切りの設定や会議のスケジュール調整を行っていますが、これらが適切に管理されない場合、以下のようなリスクが生じることがあります。
<リスク例>
新製品の発売を進めていた企業が、重要な会議のスケジュール調整に失敗し、プロジェクトのマイルストーンに遅れが生じてしまいました。この遅れにより、競合他社が市場に先行して新製品をリリースし、結果として市場シェアを失うことに。

3. コミュニケーション
職場でのコミュニケーションもリスクマネジメントにおいて重要な要素です。プロジェクトの進行や業務上の課題をチーム内で共有し、協力して解決していくことが求められます。しかし、コミュニケーション不足や不適切な情報共有が原因で、リスクが発生することがあります。例えば、チーム内での情報共有が不十分だと、重要な決定が遅れる可能性があります。また、リスク発生後の対応が遅れるリスクもあります。近年はオンラインツールの活用が増えたため、迅速な情報共有やフィードバックの仕組みの構築がしやすくなったのではないでしょうか。

4. 小さな失敗
日常業務でよくある「小さな失敗」が、実は大きなリスクへとつながることがあります。例えば、記載漏れや会議の時間を間違えるなどの「小さなミス」が続くと、信頼関係の悪化やプロジェクト全体の遅延、さらには取引先や顧客からの信用低下につながるリスクがあります。これを防ぐためには、日々の業務に対して注意を払い、ミスが発生した際にはその原因を特定し、その原因に対応した改善策を検討する事が重要です。

5. 健康管理
健康管理も見落とされがちなリスクマネジメントの一部ではないかと思います。過労やストレス、長時間労働は、従業員の生産性を低下させるだけでなく、病気や離職のリスクを高める可能性があります。特にリモートワークが増加する中、自己管理の重要性は一層高まっています。従業員の健康がしっかりと維持されていれば、業務効率の向上につながり、結果として企業全体のパフォーマンスも向上します。一方で、健康管理が疎かになると、休職者や退職者が増え、企業に大きなリスクをもたらす可能性があります。企業としては、従業員の健康をサポートする体制を整えることが、長期的なリスク低減において重要です。

 

■日常に潜むリスクを意識して業務の質を向上させる
このように、日常の業務の中にもリスク管理が存在しています。情報の取り扱いやスケジュール管理、コミュニケーション、健康管理など、普段意識していない部分にもリスクが潜んでいます。これらに気を配り、リスクを低減する行動を取ることで、仕事の成果を向上させることが可能です。

リスクマネジメントは、特別な業務や経営層だけの仕事ではなく、全ての従業員がリスクに対して敏感になり、日々の業務に取り入れていくことができれば、組織全体の成長や持続可能な発展につながります。日常業務を振り返り、「これもリスクかもしれない」とリスクのアンテナを高くたてることが、次のステップへの第一歩となるでしょう。


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